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雪乃・舞依と志乃神・晃の設定などを徒然と、いや適当に・・・。SSとかバトンとかで ============================================================  このブログにおいてある作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は雪乃に、著作権は書いていただいたイラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 ============================================================
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縁側にて―――

晃「神の左手は使わない、か。まぁ妥当だな」
雪乃「学園の方針から考えれば・・・問答無用の虐殺は選ばれない、し」
晃「そもそも本質的にランドルフと同じだろう。その手段は」
雪乃「選ぶ位なら、止めなかったら良かっただけだもんね」
晃「しかし、最後は巨人か」
雪乃「どんな戦いになるのかな・・?」
晃「さぁ?」





晃「なんにせよ、此処も寂しくなってきたな」
雪乃「新しい人も来なくなって長い・・・ね」
晃「そっちより、顔馴染みが減ってきたろ?」
雪乃「・・・お仕事とか、放浪癖とか」
晃「あとは・・・そうだな、戦争の準備か」
雪乃「・・・準備、してた?」
晃「身辺整理やら遺書やらだ。
  もしもの時に備えるか、そうなるように行動するのか、って言う違いはあるが
  未練は無いほうが良いだろ?」
雪乃「今吸ってるソレも?」

縁側に並んで座る二人、茶と茶菓子を脇においてのんびりとしている。
これだけであれば普段と変わらないただの時間つぶし。
しかし晃を見やれば、本来、能力者にとって絶対厳禁の筈であるキセルを咥えて
ふかしながら寛ぐ姿。

晃「一度くらいは嗜んでおこうかとな」
雪乃「勝てたら能力消えても気にしなくてもいいんじゃ・・・?」
晃「勝った後まで生きてたらの話だろ」
雪乃「・・・それは」
晃「最後の戦だ。怪我したところで決着まで他人に任せてられるかよ」
雪乃「むぅ」
晃「しかし、想像以上に不味いな、コレ」

そういって顔をしかめると、ぼやいて煙を吐き出し、そのまま火を消して咥えなおした。

雪乃「・・・分かりきってたことだと思う」
晃「実際にやる事に意味がある。自己満足の極みだな」
雪乃「・・・・・・」
晃「うちも修羅道、畜生道、地獄道。餓鬼道は流石に居ないが
  ・・・もう少し人間道とか天道よりの人間は居ないのか」
雪乃「・・・ん?」
晃「戦馬鹿、無主体流木主義者、んで死にたがり」

実に屑だな、と呟き、キセルを回す。
しばらく指先でキセルを弄り、ふとその手を止める。

晃「・・・・あぁ、天狗道があったな」
雪乃「・・・初耳」
晃「己こそ素晴らしい、この世は己の晴れ舞台。
  己以上に素晴らしい物は無く、己以外に価値は無い
  己を占めるは自己愛のみ、総じてその道を天狗道という」
雪乃「・・・まさに天狗?」
晃「まさに今の九尾乃にピッタリだ。我がままお嬢め」
雪乃「・・・ちょっと、様子見てくる」
晃「少し待て」
雪乃「?」

制止の声に立ち上がろうとした格好のまま見返す。
呼び止めた相手は落ち着いた様子でただ茶を飲むと、

明珠「あぁ大丈夫、クオノなら落ち着いてるよ。今起きたばっかりだけど」
晃「そうか、ちょうど良い。起きてるな」
雪乃「分かるの?」
晃「見張りはつけてる。
  説得はしたが、万が一にも舌を噛まれたら掃除が大変だろ?」
雪乃「大変なのは其処じゃない、と思うけど・・・」
晃「ここで止めても死に場所が変わるだけだ。些細なことだろ」

===================================

ベットの上で、身体を起こして真新しい包帯を撫でる。
ちくりとした痛みが首筋に走るが、ソレもまだ生きているという証である。
九尾をゆらゆらと動かして、窓を見やる。

「・・・心残り、ねぇ」
   『どうせ死にに行くなら、派手な舞台で逝けば良い』
「自分で死ねないから、頼んでるつもりなのよ」
   『だから、死ぬまでは享楽に沈めばいい。
    地獄に落ちる時に心置きなく逝ける様に』
「共に在りたいと思っても、共に在ろうとするかは別よね」
   『だから、今は我慢しろ』
「見てて、痛いのよ。よくわからないけど、心が軋むくらい嫌な気持ちになるの」
   『アレだ、それでもすぐに死にたいなら・・・その台詞、もう一度恋人に伝えて来い』
「本当に、嫌ね。人を試して」

そう囁いて、微動だにしないまま涙を零した。

晃「ああいう自分に酔ってるのが天狗道だな。実にわかりやすい醜悪の極みだ」
雪乃「・・・言いすぎ、だと思うけど」
晃「そんな自分は綺麗で美しい、だからこそ相手をして。とか気持ち悪いにも程がある」
雪乃「・・・」
晃「どうした?」
雪乃「それ、自分にも当てはまってるよね?」
晃「勿論、ただ修羅道の方が近いからな。戦に血が騒ぐし、自分の力の程も知ってる
  だから、俺は天狗道じゃない」
雪乃「・・・詭弁」



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プロフィール
HN:
雪乃・舞依
年齢:
29
性別:
女性
誕生日:
1994/09/22
職業:
中学生雪女
趣味:
読書、スライム弄り、他人と(で?)遊ぶ
自己紹介:
外の事をあまり知らなかった為に人と上手くかみ合う会話が数人にしか出来ない。喋りも沈黙の多いまったりペースだが人を弄る時だけは素が出て一方的に捲くし立てて相手を貶める。
いたずらっ子だが時々常識外れの大ぽかをする。
動物の鳴き声で幾つかウソを教えられている。
(例:猫はメェ~って鳴くんだよっ!?)
スライムマスター(幻獣使い?)
最近は割とほわほわと彼氏に甘えている。
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