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雪乃・舞依と志乃神・晃の設定などを徒然と、いや適当に・・・。SSとかバトンとかで ============================================================  このブログにおいてある作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は雪乃に、著作権は書いていただいたイラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 ============================================================
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屋上の縁から足を伸ばして、抱えたハープを静かに奏でる。
響く音色から思い出すのは最初にコレに触れた時の事、
楽しい思い出でもあり、哀しい思い出でもある。
ん、全体で言えば±0じゃないけど
・・・他にも本当に色んな思い出のある長い付き合いのある楽器
銃しか握らなかった僕が始めて触れた「殺さないためのもの」

本当は語るに値しないモノかもしれない・・・けど、ね

何から話すべきか迷うし、そもそもそれほど語れる事は多くない。
だから、かいつまんで流れだけ伝えていこう。

世界を回る初期に訪れた一つの島での出来事で、
ボクがハープを知った初めての事で、
初めて強く意識して人を殺した話。

==============================
「星詠・■」
ジャングル迷子生活◎日目――
密林に慣れてない子供が逸れたのに全く探しに来ないなんて・・・アッルェー、父さん何してんの

迷子生活*日目――
おなか・・すいた・・・今日の夜を生き抜けるか、どうか
明日には僕が餌になってそう

迷子生活△日目――
・・・かゆうまー



△日目にしてようやくご飯にありつけました。お粥ウマー(もぐむぐ

「・・・よぉ生きとったなぁ、小僧」
「あは・・・ははは・・・何度死ぬかと」
「ま、ここはもう安全なとこや、なんもないが好きにおりゃいい」
「えーっと・・・お世話になり・・ます?アレ、余所者とか普通に泊めてもらって良いの?」
「同じ日本人やろ?何を遠慮する事があるか。ま、善意だけやないけど」
「お金は持ってないヨ?」
「ハッハッハ、金なんぞ貰っても使わんわ。此処にあるものだけで十二分に暮らせるもんやしな」
「・・・まさか、身体目当てで!?」
「どんな目で見られとるんじゃ・・・小僧、男じゃろうに」
「異性じゃなーい、お姉さん」
「男なんぞ弄っても詰まらんわ!!」
「言い切った!?」

「仕切りなおし、金はいらんのやけど色々と手が足りん」
「・・・4~5本くらい腕生やすの?一寸医学の心得は・・・」
「どんな発想じゃ!仕事手伝えッつー意味や 手伝った分だけ喰うもんと寝るとこの保証はしたる」

密林で行き倒れてる時に僕を見つけて拾ってくれたのは・・・なんか、漢前なお姉さんだった。

================================

それから、お姉さんに連れられていった海辺に近い村でお世話になることに。
昼間は仕事と言う名目で食料を盾に半分奴隷生活
(・・・まぁ僕らの体力ならそう大変でもない事だったけど)
夜になれば食事をしながら星を見たり、現地の物語を教えてもらったり
お姉さんの持ち物にあった楽器、中でも当時全く知識の無かったハープをよく弾いて貰った。
本当に・・・色々と学んで
気付けば、ずっとその村に留まっていたいくらい・・・その場所に馴染んでしまっていた。

その後の惨劇は
もう少し
ホンの少し
お姉さんが無茶を命令していたら
父さんが早く迎えに来ていたら
この村から逃げ出していれば
ボクが知らないままに終わっていたんだろう。

=================================

「ぅ・・・・なん・・・・・がふっ!」
茶色い濁流の中を懸命に泳いだ。
激しい流れに逆らいながら、わずかに高くなった土手へと必死に手を伸ばす。
かろうじて指先に触れた太い枝に爪を食い込ませ体を引き上げて水流から避難。
「こんな・・・津波、なんて・・・ゲホッ、ゲホッ・・うっぇぇ・・・」
じっとりと湿りきった酸素を肺一杯に吸い込んで そのまま咽る。
片目が痛む、両腕に力が入らない、喉がヒリヒリする。
何が起こっているかはわかっても、その起こった事から助かる方法が分からない。
「っは・・・・っはぁ・・・・・・・よし、落ち着け・・落ち着け」

今日は朝からお姉さんの家と村の中間辺りで食用の草を取りに来てて・・・
それから・・そう、十分に取れたところで家に帰ろうと・・・した、ら
「っ!」
頭がズキズキする、痛みと共に凄まじい勢いで草むらになだれ込む濁流の様子がフラッシュバックした。
木々と板切れ、家具に・・・巻き込まれた生き物が・・・水と共に押し寄せて。
激しい流れの中で身体に強い衝撃が何度も走る。

「目・・・目が・・・あれ?」
ただ打撲で開くことが出来ないと思っていた目に触れると・・・べっとりとした血が掌に付着した。
どうやら・・目が・・・やられたらしい。
「う・・・・あぁぁぁあああああぁっ!!!?」
気付いたからか、リラックスし始めたせいか・・・・目を初めとした全身が強く痛み、
濁流が生み出す轟音に負けないほどの狂った絶叫がその場を満たした。

=================================

「おい、小僧 聞こえるか~?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「寝んなよ、今はまだアカン。今寝たらそのままポックリ逝ってまうからな~!」
「・・・お姉さん?」
「そうそう、美人で綺麗で美しいお姉さんや」
「・・超、ダウト」
「言い返せる元気があるなら十分やな」
「・・・ここ・・どこ?」
「私んち、ちっとさっきの波で床が汚れてもーとるから二階やけどな」

言われて見れば見覚えのある・・・楽器を置く部屋だ。

「しっかし小僧、不幸やな~ 普通巻き込まれたら即死せんか、あんな水流」
「身体、頑丈だし・・・普段はありがたいんだけどね・・こんな中途半端な死に体じゃ今回だけは怨むよ」
「全身打撲と擦り傷だけですんどるやないの、コレならすぐ治ってまうで」
「・・・目は?」
「ん~つよぉ打ったんやろ、あんま動かしたらアカンで?」
「だって・・血が」
「ソレは額から流れた分や、額は派手に血ぃ出るさかいな」
「・・・」
「むしろ、ほんまに人間か?ってうたがってもぉたわ」
「・・・っ」
「お仲間さんやな、あんた」
「ぇ?」

お仲間?え、なにお姉さんも人狼?いや、でも一回も狼変身した事ないし僕のソレを知られてるわけ…

「あんたも能力者やろ?」
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プロフィール
HN:
雪乃・舞依
年齢:
29
性別:
女性
誕生日:
1994/09/22
職業:
中学生雪女
趣味:
読書、スライム弄り、他人と(で?)遊ぶ
自己紹介:
外の事をあまり知らなかった為に人と上手くかみ合う会話が数人にしか出来ない。喋りも沈黙の多いまったりペースだが人を弄る時だけは素が出て一方的に捲くし立てて相手を貶める。
いたずらっ子だが時々常識外れの大ぽかをする。
動物の鳴き声で幾つかウソを教えられている。
(例:猫はメェ~って鳴くんだよっ!?)
スライムマスター(幻獣使い?)
最近は割とほわほわと彼氏に甘えている。
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