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雪乃・舞依と志乃神・晃の設定などを徒然と、いや適当に・・・。SSとかバトンとかで ============================================================  このブログにおいてある作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は雪乃に、著作権は書いていただいたイラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 ============================================================
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・・・武器が使えない能力者ほど酷いものは無い。
精々ただの壁か、よくて多少のダメージを与えられるだけだ。
戦えないわけでは無いが、あまりにも頼りない。
正直前衛としては死んだも同然である。

「まぁ素手で倒せない事も無いがなぁ」
機械仕掛けの亀(名前なんておぼえてねー)をデットエンドで沈めつつ歩を進める。

現在、GTにて戦闘力計測中。
先日の魔動力炉故障事件(そう、故障で合って俺が悪いわけじゃ無い)の後、
「とりあえず防具は使えるみたいだし、戦えない事は無いんじゃね?」という開き直りにも似た一言の下、
実際にやってきた。
【結果:戦えない事は無いが、アビ必須】
今のところは戦果も上々、一応緊急時の為に控えた犬ッコロの出番も幸い来ていない。

「なんでしょうか・・・素手にしては、威力があるような」
首をかしげながら呟く犬ッコロ
「経験の差じゃねーか?それに、もともとこのアビかなり強いし」
「気のせい、でしょうか」


「ちと時間食ったが此処がラストっぽいな」
床下に広がる空間を見下ろして気合を入れなおす。
「さっさと狩って飯にしようぜ。流石に素手でずっとだと腹減るわ」

軽口を叩いた後、階下に飛び降りてその場に居るゴーストと正対する。
「・・・今回の敵は・・・蜥蜴か?」
・・・その場に立っていたのは二足歩行の蜥蜴男一体のみ。
見たことの無いタイプのゴースト。色身の濃い金色の鱗、額からまっすぐ伸びる一本の角。
典型的なリザードマンですね、はい。本当にアリガトウゴザイマシタ。
「特殊な能力は無さそうだが・・・・その分、力はありそうだな」
「相性の悪いタイプですわ、此処は私が?」
「いや、多分・・・一人でも行けるだろ。援護だけで良い」
「承知しました、御武運を」

素手であるため、いつもとは違う構えを取り腰を下に落とす。
身構えた途端、ソレを待っていたかのようにリザードマンが床を蹴って跳び上がった。
ソレを前に出て迎え撃つ。同時に星詠が後ろに下がり援護の体勢に入る。

指の背から生え出た包丁のような三本の爪が、大きく弧を描いて拳と激突する。
「うわっ!」
身体ごと弾き飛ばされ、近くの壁に激突する。
「ふきとばし・・・じゃねぇな単純な力技か」
何とか転倒せずにすんだものの、元の場所に目を向けると、そこに相手は居なかった。
「上です」
横合いから星詠の声が届くと同時に殺気が迸るを感じてしゃがみながら前に飛んだ。
空を切り裂く音に続いて、鈍い破砕音が聞こえてくる。
振り返ると、リザードマンの腕が・・・深々と肘の辺りまで壁に突き刺さっていた。
―――直撃したら・・ヤバイか。
流石に一体だけで待ち受けるだけのことはある。
にやり、とまるで笑むように目を細め口の端を吊り上げて リザードマンが地を蹴る。
彼我の距離5mちょっとは瞬時に0となり、そして繰り出される左右の爪撃。
「くっ!!」
一撃受け止めるたびに衝撃で腕が痺れる。
素手で反撃する余裕なんてこれっぽっちも残ってない。
「シャァァアアッ!!」
ねじりこむように繰り出された突きが、俺の腕を掠めた。
「いてぇだろうが爬虫類!!」
叫んでは見たもののこんなものは虚勢だ。

戦っている中で、少し予想がついた―――
なぜ、詠唱兵器が動かないのか。
親父が寄越したものは何か。
痛みの無い傷は?
星詠の感じた違和感は何なのか。

どうせ、このままだと勝てやしない。なら・・・・賭けてみる価値はあるか。

生身では攻めるのは不可能、守るのも既に限界。
限定条件、「生身であれば」の話だ。生身で無ければ良い。
「タイマンチェーンッ!」
力を込めてリザードマンの顔めがけて鎖を投げつける。
無論、隙も作らずこんな直線的な攻撃では強靭な脚力で避けられるのがオチだ。
そう、この場に居なければこちらの武器を出すことが出来る。

息を細く吐きながら、強く強くイメージする。今、この場で必要な武器の姿を。
ソレはさして難しい作業ではなかった。呼吸と同じように当たり前の出来事として、
廃れたあの村にあった刃を<想像/創造>する。
「魔刃拳・・・」

おもむろに振り返ったリザードマンが、鱗に覆われた太い腕を振りかぶって殺戮の爪を袈裟懸けに振り下ろす。
歯を食いしばり、足のスタンスを広げ。その一撃を避けずに素手で受け止める。
ギンッ!と硬質な音が響き、衝撃に一瞬視界が震える。
しかし、俺の足はしっかりと大地を噛んだままで よろめきも、後ずさりもしていなかった。
触れている爪から素手――否、詠唱兵器を通して相手の同様が窺える。
ただの素手で止めているようにしか見えないだろう。
防具に痛みを肩代わりさせているわけでもなく、正真証明の素手で受け止めることなんて、
いくら能力者でも早々出来るわけが無い。
それが、同等の力を持った相手であれば確実に。

「そうだ、詠唱兵器はちゃんと動いていた・・・ただ別の詠唱兵器が動いてただけで!!」

詠唱兵器は何故動かなくなったのか?
            既に俺が使いこなせる限界レベルの詠唱兵器を所持していたから。
親父が寄越したものは何か?
            家宝の中に潜ませた、憑依型の詠唱兵器に違いない。
痛みの無い傷口は?
            コレは傷じゃなく、詠唱兵器の一部だから。
星詠の感じた違和感は?
            俺のレベルに合った詠唱兵器を装備してるんだ、素手より威力が合って当然だ。

「詠唱兵器は、既に俺の身体の中にあった訳か」
痛みの無い傷口から溢れだす血潮を眺め、確信に至る。
この血こそが詠唱兵器。親父の最高傑作、業通丸という妖!
血潮が溢れ、渦巻き一つの形を成す。
赤手に非ず。さりとて刃にも非ず。この手はアヤカシの憑きし血刀。
―――即ち、妖血刀。
「コレで・・・・ぶち殺せるな、爬虫類」
鈍い鋼色をした腕を振り上げ、宣戦布告。この力の最初の被害者へ、精一杯の祝福を。
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プロフィール
HN:
雪乃・舞依
年齢:
29
性別:
女性
誕生日:
1994/09/22
職業:
中学生雪女
趣味:
読書、スライム弄り、他人と(で?)遊ぶ
自己紹介:
外の事をあまり知らなかった為に人と上手くかみ合う会話が数人にしか出来ない。喋りも沈黙の多いまったりペースだが人を弄る時だけは素が出て一方的に捲くし立てて相手を貶める。
いたずらっ子だが時々常識外れの大ぽかをする。
動物の鳴き声で幾つかウソを教えられている。
(例:猫はメェ~って鳴くんだよっ!?)
スライムマスター(幻獣使い?)
最近は割とほわほわと彼氏に甘えている。
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