[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こりゃぁ傑作だな、我が親愛なる親父殿?
知ってはいた。少し探せばすぐに見つけられたからな・・・
一族の血に連なる者、つまり親父までは魔剣・妖刃を専門にした【刀鍛冶】だったと、確かに業を伝承するのが剣士とは限らねぇが
いくらなんでもコレはないだろ、ボケ爺・・・・・・
いや、好きだぜ?正直こんな曰く付きとか、危険物とか、意味の判らん造形とか、モロに俺の好みに合致してるさ。あぁ、ソレは認めよう。
でもよ?
「コイツ、刀じゃねぇじゃん!!!」
有り体に言うなら赤手。と言うか赤手。まごう事無き赤手。
一応その赤手の構成物が数多の刃である事を除けば刀鍛冶が作るような代物では無い。なんというか、せめてもう少し造形美を考えろと思ってしまうほど醜悪で酷い代物だった。
「そりゃ桜耶も言い方に困るわ、こんなモン」
思い出される武器の特徴:『なんか「業通丸」とかいうへんな刀だって~
あ、刀と言うより打撃武器?んー・・・篭手?あぁ・・でもでも赤手かも?』
刀と言うにはでか過ぎて、こてと言うには攻撃的、赤手にしたら炎がでない。
こんなモンが受け継いだ業だってんなら一体何をしでかしたんだろうな、うちの先祖は。業を込められた
醜悪な生まれを持つ癖して、表面が血で汚れていない。データから得られた親父の情報から考えれば振るわれていない訳が無いというのに。
それともコイツは実は別物の家宝で、使えなかったのか?どの刃も、握りすら穢れていない。
「コレ、どうやって使うもんだ・・・?申し訳程度の持ち手しかねーし」
握りを掴んでゆっくりと持ち上げる、人の腕よりも長く大きいソレをじっくりと観察する。見れば見るほど綺麗な武装、血が付いていないと思ったがそんなレベルの話ではなかった事を思い知る。
「錆どころか、触られた跡すらないな」
この武装が厳重に保管されていたのか、それとも、錆びるような物ではないのか?詠唱兵器を見慣れてしまった今では別段珍しくも無い綺麗さ。だから、油断していたのだろう。あぁそうだ、親父は確かにコイツを使っていた。
コレがただの危険物であるという可能性を忘れていた。綺麗だと、何故それだけで振るわれていない等と言い切れる?
違和感を感じたのは握った柄の感触の変異。
指が離れない。
手元を見て納得する。そりゃ離れる訳が無いよな、手首に無数の切っ先が突き立っているんだから。
痛みは無いが(ただ限界を超えて脳が受け付けていないだけかもしれない)、突き立った部分から血を吸い上げるその異様な刃を見て、ただ死んだな、と思う。
今の俺が取れる選択肢は二つ。
『腕を犠牲に全力で避難する』か『このままこの刃に喰い殺される』、まぁ悩むまでも無い選択肢だ。
腕を無くすくらいならこの場で果てろ。
当然過ぎる選択。普通は死なない選択肢を選ぶ?馬鹿だな。人を斬る為の腕を亡くして、どう生きて行けと言うんだ。
俺の優先度で言えば腕は命に等しい。流石にコレだけの刃が突き立った上で完全な回復を果たすなどと、楽観できるほど頭が沸いてる訳でもない。
つまり、利き手を刺された時点で死は確定した。
長く生きていけるとは思わなかったが、ブービートラップに引っ掛かって死ぬとは・・・・・・・ヘタレてるな。
親父、あの世で会ったらブッコロスから覚悟してやがれ。
そして意識は暗闇に飲まれた。
03 | 2024/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
いたずらっ子だが時々常識外れの大ぽかをする。
動物の鳴き声で幾つかウソを教えられている。
(例:猫はメェ~って鳴くんだよっ!?)
スライムマスター(幻獣使い?)
最近は割とほわほわと彼氏に甘えている。