悪（弱者）の矜持

　　　　勝てば官軍の世
　　　　　　勝った方が正義

あぁ、そうだな？
負ければ所詮遠吠え、
この世は勝った方が強い。
勝った方は好きに言える。
勝った方が正義だ
負ければ悪と断じられる。

ならばこそ、悪で何が悪い？


負けてなお悪であり続けるというのなら、ソレは一つの信念では無いか？
強き者に屈さず、己を曲げず、ただ貫く、その姿勢は・・・誇りあるものではなかろうか？
強き者に飼いならされ、命を守る事もまた一つの英断ではある。
しかし、例え負けが確定しようとも・・・己に負けぬということが、なによりも大事な勝利では無いか？

敗北が悪であると、弱者が悪であるというのならば―――せめて誇りある悪と成れ
己の信じた考えを貫く事が悪だというのなら、滅ぼされるまで貫き続ける。

俺は・・・弱い。
剣士としても、暗殺者としても　　　いや、人としてすら

だが、俺の在り方を変えるつもりなら牙を剥かれる事も考えておきな
往生際が悪い事こそ、悪の矜持だろ？